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北京でのオフィス探し

北京でのオフィス選び

オフィス選びはビジネスの成否にも関わる重要なポイント。
北京の特殊事情を把握して、納得のオフィスを手に入れよう。

2009年2月更新

1、北京オフィス事情

    2008年度末の北京オフィスビルの空室率は推定で約20%、上海空室率が約10%と言われている。
    北京のオフィスビルの総面積は2006年末時点で約600万㎡だった。2007年から2008年にかけて頂級(A+)・甲級(A)のオフィスを中心に総面積が新たに250万㎡増加した。
    この間新たに建てられたオフィスビルは2008年オリンピックを目指して主に東三環路・CBDを中心に再開発による頂級(A+)・甲級(A)オフィスビルが多くその建築コストも高いものとなっている。
    このようにオリンピック開催前の賃料は1日あたり1㎡で9~10元が通り相場であったが、オリンピック閉幕後、特にアメリカに始まった世界的金融危機の後遺症は北京オフィスの需要バランスを大きく揺るがした感がある。
    このように1日あたり1㎡で9~10元だった相場が2009年1月頃になって7元程まで大きく下落した。それでも一部のオフィスビルは入居率が低迷していて、オフィス拡大・予算の見直し・計画の延期または中止などの企業が多く出始めていることから交渉次第で賃金条件の引き下げなど有利な条件を獲得できる時期にあると思われるが、中関村の空室率は約5%と例外的に低い。又この賃料指数は築年数5~6年の管理状態良好な次甲級(A’)・乙級(B)オフィスビルの賃料と同じ水準になる。ちなみに2007年から2008年にかけて新築された頂級オフィスビルの空室率は平均約45%と言われている。

2、契約に関する基礎知識

 仲介手数料
    北京ではオフィスの仲介手数料は貸し方から不動産業者へ払われるのが一般的で、ユーザー(借り方)が払うことは(特別な場合を除く)少ない。
 契約期間
    契約面積は共有部分を含んだグロス面積(建築面積)で、実際の使用面積は平均70%程度となっている。新しく竣工したオフィスビルは、工法の改良などもあり、使いやすい間取りのところが多く、使用面積も従来と比べ増えている傾向にある。
 レンタルフリー
    レンタルフリーとは、契約後家賃が発生しない一定期間の事。一般的に内装期間としてあてる。平均的な期間は1年契約の場合/半月から1ヶ月、1年契約の場合/1ヶ月から2ヶ月。この期間は管理費のみの支払いとなる。表示価格は変えずに、レンタルフリー期間を増やすことで家賃交渉に応じるケースも多い。
 支払い方法
    オーナー物件の場合は、入居前に敷金1ヶ月分と家賃3ヶ月分を支払い、以後3ヶ月毎に前家賃として家賃3ヶ月分を支払う「押一付三」が一般的。
    管理物件の場合は、入居前に敷金3ヶ月分と家賃1ヶ月分を支払い、以後1ヶ月毎に前家賃として家賃1ヶ月分を支払う「押三付一」が一般的。
 原状回復義務
    ほとんどのオフィスビルで原状回復が必要となる。
 退去と更新
    退去・更新の場合、賃貸契約書に「入居者が退去(又は、契約を更新)を希望する場合、契約満期日の○○日前までに貸し方に通知する」などの条項を明記するのでそれに従って通知する。

3、オフィスの分類

 種類
    北京の建築物は純住居楼、商用楼(純写字楼)、商住両用楼の3種類がある。現在正式にオフィスを構えることができると保証されているのは商用楼(純写字楼)のみとなっている。
    北京市は2006年に「民宅禁商」という通達を発表。そのなかで、一般住宅と商業施設が混在する商住両用楼、いわゆる雑居ビルを認めない方針を打ち出し、商住両用楼の新規建設も規制されている。しかし2007年、暗に雑居ビルを容認するともとれる「物件法」が新たに制定され、現在の法制度に一部矛盾が生じてしまった。そのため現在、商住両用楼の存在は非常に曖昧なものとなっている。
    商住両用楼は家賃が安いため、簡単な連絡事務所などを構えるには格好の物件とおもわれがちだが、そのかわりにリスクも高い。例えば、会社登記ができなかったり、制度が変わり退去を余儀なくされたりするなどのケースがある。商住両用楼には手を出さないほうが懸命だが、それでもという場合は、十分に考慮して決めたほうが良い。

■ グレード
    北京のオフィスビルのランク分けは、上から

  • 頂級  (A+)
  • 甲級  (A)
  •  次甲級 (A’)
  • 乙級  (B)
  • 丙級  (C)
    となっている。
    床荷重や空調システムなどビルの環境は、日本のオフィスビルに比べて、レベルが低いのが現状だ。ただし年々立地・床面積・駐車スペース・管理などの指標が国際基準を満たす頂級オフィスビルの竣工が数多く控えており、オフィスビルを取り巻く環境は徐々に改善されている。

 タイプ
    北京のオフィスビルは、内装が一切施されていないスケルトンタイプが一般的。そのため入居する際には内装工事が必要となる。新築のビルは床がフリーアクセスフロア(二重底)の設計になっているところが多いので、条件の一つとして組み込んでおくと便利だ。

4、オフィスエリアと相場

    北京にはオフィスビルが集中しているエリアがいくつかある。そのそれぞれに外資系企業が集まっていたり、特定の業種が多かったりと特徴がある。

 CBD(Central business district)エリア(朝陽区)
    CBD(商務中心区)エリアは、北京市街地の東に位置する建国路を中心に、東は西大望路、西は東大橋路、南は通恵河、北は朝陽北路までの、国貿橋を中心とした一帯を指す。ここには中国国際貿易中心(通称:国貿ビル)をはじめ、嘉里中心、中環世貿中心、中服大厦、招商局大厦、財富中心などの優良ビルが林立している。
    現在も銀泰中心や北京一の高さを誇る国貿Ⅲ期ビル、中央電視台(CCTV)の新社屋などが施行中、また新たに供給される優良物件の半数近くがこの地域に集中している。
    ここ数年の間に、東三環中路から東四環中路までの間に万達広場・金地中心・華貿中心のようなオフィス・住居・商業施設を含めた総合開発が進められ、CBDエリアは少しずつ東に拡大してきている。

 燕莎・三元橋エリア(朝陽区)
    市街地の北東部に位置する燕莎・三元橋エリアでは、日本大使館公邸をはじめとする第三大使館エリア及び第二大使館エリアに隣接し日本人を含む多くの外国人が居住する。ここには日系企業も多く入居する発展大厦などの優良オフィスビルも多い。もともと首都国際空港までのアクセスは便利であったが、2008年に東直門と首都国際空港を18分で結ぶ機場快速線と地下鉄10号線が開通し利便性がさらに高まった。

■ 金融街エリア(西城区)
    大手銀行が集中する金融街エリアは、北京のウォール街とも称される。西二環路の復興門と阜成門橋間の東に位置し、国内外の多くの企業の地域本部が個々に集中している。もともと多数の優良オフィスビルが存在するエリアだが、近い将来2.6k㎡に拡大される予定。

■ 中関村エリア(海淀区)
    中関村は北京の北西部に位置する。北京大学や清華大学などの中国の名門大学が軒を連ねる文教エリアであると同時に、IT関連をはじめとするハイテク産業が集中する一帯で、中国のシリコンバレーと称される。ここには国内外の大手IT企業が入居する優良オフィスビルが数多く存在している。

 王府井・建国門エリア(東城区)
    北京のメインストリートである長安街に面するのが建国門エリア。中国の国家機関が集中し、多くのホテル、商業施設が立ち並ぶ。施設や管理がしっかりとした高級オフィスが多いのもこのエリアの特徴となる。

■ [家賃相場]

  • 頂級 (A+)/ 9.5元前後/㎡/日
  • 甲級 (A)/ 8.0元前後/㎡/日
  • 次甲級(A')/ 6.0元前後/㎡/日
  • 乙級 (B)/ 4.0元前後/㎡/日
  • 丙級 (C)/ 3.0元前後/㎡/日

* 上記家賃相場は参考価格、具体的物件については個々に要交渉。
* 2008年10月の国際金融危機の影響及び2008年以降の竣工物件が多く、人気優良物件・人気地域を除き価格は下降傾向にある。

5、契約までの流れ

    オフィスの賃貸契約にいたるまでの大まかな流れを紹介。期間は、一般的にプランニングから入居まで、半年~1年をみておくと良い。

  1. 事業計画の作成
  2. 北京のオフィスビルのリサーチ(家賃相場・エリア特徴など)
  3. 事業計画に基づいたオフィスの条件決め(エリア・家賃など)
  4. 希望条件に基づいた物件選び・見学
  5. 候補物件の絞込み
  6. 候補物件の貸し主との交渉(契約期間・付帯条件・家賃の支払い方法等)
  7. 交渉妥結
  8. 仮契約・手付金として敷金の一部支払い(契約書の内容確認をしっかりと行う)
  9. 本契約・敷金残金支払い(同時に初回家賃を支払うケースが多い)
  10. 内装工事
  11. 引越し・入居
  12. 業務開始

6、物件探しの注意点

    北京でオフィスを探すには、いくつか注意すべきポイントがある。それらを参考に、エリア・間取り・予算・契約期間・オフィス環境など希望条件と照らし合わせながら、優勢順位をつけることで、後悔のないオフィス選びをしよう。

 交通状況
    2007年末現在北京の車両保有台数は300万台を超えており、市街地は慢性的な交通渋滞という問題を抱えている。そのような状況で、通勤手段がタクシーや社用車だけというのは、いざというときに不便を感じることもある。また、現地スタッフの通勤や、営業先への訪問なども考慮して、公共交通機関までの距離も調べておくと良い。

 入居の規制
    物件・エリアによっては特定の業種や、独資の外資系企業が入居できないところもあるので注意が必要だ。せっかくいい物件が見つかり、後は契約を残すのみとなった段階で、そのような特殊な事情によってあきらめざるを得ないと言うのでは、時間と労力が無駄になってしまう。このようなロスを防ぐためにも、候補物件が絞り込まれた段階で、特殊事情を把握しておくことはとても大切となる。

■ 内装
    オフィス探しと並行して内装の準備も行わなければならない。そのオフィスビルで自社の業務に必要な環境作りを実現できるか(必要に応じて専用LAN回線が引けるかどうかなど)の詳細も確認しておこう。この他、電力・空調・エレベーター・共有設備などの質や、清掃状況・金融機関の有無など、基本ポイントの確認も忘れないように。

7、不動産仲介会社の利用

    北京には無数の不動産仲介業者があり、中には日系企業を対象とした専門の不動産仲介もある。特に初めて北京に進出する企業の場合、地元の事情が右も左も分からない状況において、これらの不動産仲介業者は非常に心強い存在となる。前項でオフィスの契約に関する手続きの流れや注意点をざっと紹介したが、なるべく早い段階、例えば2の段階あたりで北京の不動産のプロから的確なアドバイスが得られれば、その後の流れがスムーズに進むことが期待できる。

■ 仲介業者の選定
    日系企業を対象とした専門の不動産仲介業者の場合、日本語での対応が可能、日系企業への仲介業務になれている。アフターサービスが充実しているなどの利点がある。これらの業者は、インターネットや日本語のフリーペーパーで連絡先を調べることができる。選定基準としては、たとえどんなに小口の相談にも迅速に丁寧に対応してくれる仲介業者は信頼できる。また、基本的にはローカルの仲介業者を使っても、借り方に仲介手数料は発生しないので、言語による意思疎通やアフターフォロー、希望条件に沿った物件を持っているかなど、さまざまな面を考慮して決めると良い。
    中国では仲介業者との関係は物件の紹介だけに止まらず、退去するまでの間何かと世話になるもの。信頼できる仲介業者を選び、担当者といい関係を築くのはとても大切なポイントとなる。
    希望するオフィスビルが単一オーナーの場合は、どの仲介業者に依頼しても出てくる物件は同じで、賃料も大差はないので、はじめから1社の仲介業者に絞ってもいいだろう。
    ただ、個人オーナーのオフィスを希望する場合はやはり仲介業者によって扱う物件が違うので、より希望に近いものを見つけるためには、数社に依頼をかける必要も出てくるだろう。

■ 仲介業者のサービス内容
    物件リサーチのサポートや、契約時のオーナーとの交渉はもちろんのこと、内装・引越し・会社登記に際しても専門の業者を紹介してくれる。また、日系企業を対象としたほとんどの不動産仲介業者は、入居後もきめ細かいアフターサービスを提供している。最終的にオフィスを退去する際に、オーナーから回収した保証金を借り手に返却するところまで行う。

以 上

 

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